四季雑感

四季雑感

拒否的抑止力で生き残れるか

年配のかたなら、淵田(ふちだ)と聞けば、「トラ、トラ、トラの淵田さんだね」と答えるほどの海軍軍人である。 「トラ、トラ、トラ」は真珠湾攻撃の直後、淵田が奇襲成功を本部に打電した暗号文である。 真珠湾攻撃に先立って、航空隊...
四季雑感

コロナ禍から見える世界

また3月11日が来た。東日本大震災以来10年、マスコミはこぞって犠牲者のことを忘れないでといっているが、残念だがそうはいかない。我々はだんだんと忘れていくだろう。 親だって、死んで10年もすれば思い出すことが少なくなる。まして他人...
世界史ひとこま

ガンダーラの栄華は夢のごとく

昔、学校の授業で、インドの北にガンダーラという処があり、仏像はその地で初めて造られたのだと教わった。それまで、仏像はこの世に存在しなかったのだという。 ところで、インドではお釈迦さんが死に臨み、自らの彫像を掲げること...
世界史ひとこま

オアシスの隊商、シルクロードを行く

いまどき、 長安を発し 1000キロにおよぶ荒涼たる砂漠と標高 5000mの山岳を、ラクダやヤクで越えるなどというレースに挑む者は、果たしてどれほどいるであろうか。   かつて、オアシスの隊商たちは生活のため、...
四季雑感

コマーシャル雑感

テレビは見るばかりが能でない。目をつむり、耳を澄まして聞くのも一興だろう。 特にコマーシャル(CM)で、そうおもう。 もともと視聴者は、見たくもないものを仕方なく見てあげているんだという不遜な立場にいる。 ...
四季雑感

無意識のなかで

最近あおり運転のニュースが話題になることが多い。 実にたわいない理由で、かっとなってあおり行動に出ているのを見ると、潤いのない乾燥した世相のためか、もともと堪忍袋の緒とはその程度なのかと考え込んでしまう。 考え事をしなが...
興味深い外国人

サルトルの実存主義

サルトルが愛人ボーヴォワールを伴って我が国を訪れたのは、1966年9月のことである。 その6年前、日本政府は敗戦による属国扱いから抜け出そうと軍備を増強し、米国と対等の地位獲得をめざしていた。その結果、岸内閣によって新安保条約...
興味深い外国人

フロイトの死生観

  1938年、強引にオーストリアを併合したナチスにとって 、精神分析を業とするフロイトは危険思想の持主とみなされた。しかもユダヤ人である。このため、彼の弟子たちは危険を冒しながらも、なんとか彼をロンドンへ亡命させる...
興味深い外国人

ハイデッカーの実存主義

「良心は常に、沈黙という形で語る」 「単純なものこそ、変わらないもの、偉大なるものの謎を宿している」 「限られた時間でより多くのことを知り得ていくには、複雑なことを複雑に学んでいくより、シンプルの先にあるものを...
興味深い外国人

コペルニクス的転回

コペルニクスが世間の常識をひっくり返し、天動説から地動説へ180度転回させたことを「コペルニクス的転回」と呼ぶようになったが、言い出したのはカントである。 ところで、われわれが見ている世界は決して真の世界ではない。たとえば庭の...
四季雑感

籠の中の鳥

19歳で無期懲役の刑に服し、精神障害も患ったため、 80歳を超えてこのたび、出所を認められたというひとがいる。 60数年間は昭和年間に匹敵する。昭和という時代をこの目で見ずに、大正からいきなり平成の世に出てきたに等しい。 ...
海外紀行

ニューヨーク紀行

ニューヨークに着いた日、2001年、9.11事件のあったグラウンドゼロを訪れた。 今、その跡地には慰霊碑「911メモリアル」が建てられ、被害者3000人の名前が刻まれている。よく見ると数か所、名前の傍に一凛のバラが添えられてい...
海外紀行

イギリス紳士のこと

機会あってイギリスには7~8回出かけた。無論、長期滞在したわけではない。が、何度か訪れるうち、彼らから我々日本人と違う、なにごとかを感じるようになった。  多民族国家 イギリス イギリスは在住する外国人の出身国も人数も、世界で最...
興味深い外国人

デカルトの思い出

刺激のない田舎町にいて、なんとなくその日を過ごしているだけの高校生にとって、いきなり文系理系のどちらに行くのかと言われても、確固たる信念などないものが多かった。教師より、ヨーロッパの同年代の子は、すでに職業を意識した専門分野に進学し...
四季雑感

稀有な体験

地震で家が倒壊したのが、出掛けた直後だったとか、墜落した飛行機に乗り遅れたため九死に一生を得たなどというニュースを聞くたび、たまには、そんなことも起こりうるだろうとは考えるのだが、それが何度も繰り返すとなると、偶然だとはいえない何か...
四季雑感

台風の目

台風はなにも最近になって来始めたわけではない。平安期の「扶桑略記」に台風襲来の記述があり、鎌倉期には博多に押し寄せた10万の元の大軍が、台風によって沈没している(弘安の役)。 昔から、わが国は台風とは切っても切れない間柄である...
四季雑感

サッカーと私

姉が結婚すると聞いたとき、相手が会社員としか知らされなかったし、24,5なら結婚するのは当然だろうという程度の記憶しか残っていない。昭和45年ごろのことで、当時、自分は呑気な大学生だった。 結婚式に出て、義兄が日本代表のサッカ...
世界史ひとこま

唐の都・長安

占領の危機 太平洋戦争のあと我が国が米軍の占領下におかれたことは記憶に新しいが、そのほかに2度、我が国は占領の危機に陥ったことがある。 一度目は662年、白村江の戦いにおける敗戦、もう一度は元の大軍に襲われた元寇の役である。...
世界史ひとこま

洛陽のこと

9秒98 4年前、高校生だった桐生選手が100㍍を10秒19で走ったニュースは、驚きをもって迎えられた。近い将来9秒台で走る最初の日本人になるだろうと、多くのものが予想した。それだけに今回の9秒98は、本人にも我々にも待ちわびた朗...
世界史ひとこま

モンゴル軍のこと

少年のころ、毎日馬に乗って生活している遊牧民の子供を、羨ましく思った記憶がある。学校にも行かなくていいし、宿題もない。 毎日馬に乗って草原を走り回り、羊の群れに青々とした草を食べさせながら、その中から夜の食卓にのぼる羊を選ぶと...
四季雑感

士農工商の記憶

近年、明治という言葉を聞くことも少なくなったが、亡父はかろうじてその明治末年の生まれである。本人は格別それを誇りにしていた。 一方、母親は戦時下、女学校に勤務していたある日、喜々として帰宅した父親から、「結婚が決まったぞ」と告げら...
四季雑感

旧き良き土佐は今?

いごっそう 最近は「いごっそう」がいなくなりましたと、土佐の友人から聞き及んだ。 いごっそうは異骨相とも書き、いかめしい風貌を想像するが、じつは見た目ではない。強烈な自己主張、筋を通す、容易に迎合しない、他人の話を聞かな...
四季雑感

ツバメ問答

今年もツバメが飛来した。我が家の軒下にもやってきてガヤガヤとかまびすしい。すでに30年来の風景である。 古来、ツバメは稲の害虫を退治してくれる益鳥と教わってきたうえに、森の中に巣をつくらず、人家の軒下に居を構えるため、他の鳥たちよ...
四季雑感

土地は誰のものか

加賀120万石、伊達62万石という。 一石はひとりが一年間に食べる米の量に相当するから、これに年貢率をかけると、どれほどの戦闘員を養えるかが計算できる。 つまり石高は大名の財力だけでなく、保有する戦闘能力を誇示するものであっ...
世界史ひとこま

錬金術と幻想

今や錬金術といえば利殖目的の不動産投資や悪徳商法を指すことが多いが、もともとは一般の物質を完全な物質に造り替えようとする技術を指した。錬は修練、鍛錬、錬成など、ねり、鍛えるという意である。 とくに中世のヨーロッパでは、「賢者の...
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