鎌倉

日本人の宗教心

富永仲基の仏教観

法華経も阿弥陀経も釈迦の仏教でなく、後世の人の作だといったのは、大阪の町人・富永仲基(なかもと)である。 彼の棲んだ江戸時代、幕府が容認している仏教に対して、釈迦が始めたものではないと声を出すのは、身の危険を覚悟の上である。し...
日本人の宗教心

唯識

かつて南都北嶺といって、その威風は朝廷から一目置かれるほどであった。 南都は奈良、といっても興福寺、北嶺は比叡山延暦寺を意味し、ともに平安時代、寺院でありながら圧倒的な存在感を示した。 なぜ寺が、と言われそうだが、じつは...
四季雑感

台風の目

台風はなにも最近になって来始めたわけではない。平安期の「扶桑略記」に台風襲来の記述があり、鎌倉期には博多に押し寄せた10万の元の大軍が、台風によって沈没している(弘安の役)。 昔から、わが国は台風とは切っても切れない間柄である...
鎌倉時代

運慶のリアリズム

建仁3年(1203年)は運慶にとって記念すべき年となった。東大寺南大門に巨大な金剛力士像が完成し、運慶は僧侶の最高位・法印に任ぜられたのである。 すでに治承4年(1180年)、平重衡(清盛の子)が、ことあるごとに平氏に反抗的な...
日本人の宗教心

神をとるか仏をとるか

もともと我が国の神は自然崇拝から発したもので、八百万の神々が山川草木至る所、家のなかにもおられるという。 古代人は神のおはしますところを掃き清めて祈りを捧げ、感謝や心の救済を願っていたとおもわれる。 ところが7世紀にいた...
江戸時代

杵築(きつき)藩家老・大原氏

別府から国東半島へむかって北へ30キロ走ったところに、杵築市はある。 鎌倉時代、豊後の領主・大友氏の一族が八坂郷木付荘を統治し、地名の木付(きつき)をとって姓とし、築城した。それが木付城の始まりである。 木付城の城主はそ...
古代

弥勒菩薩半跏思惟像

広隆寺の弥勒菩薩半跏思惟像が国宝第1号に認定されたというだけで、当時からこの像がいかに魅力的な存在であったかが分かる。 仏像にしては珍しく、座位で右足先を左大腿に乗せ、右膝頭に右肘をついて物思いにふける半跏思惟像である。どちら...
四季雑感

土地は誰のものか

加賀120万石、伊達62万石という。 一石はひとりが一年間に食べる米の量に相当するから、これに年貢率をかけると、どれほどの戦闘員を養えるかが計算できる。 つまり石高は大名の財力だけでなく、保有する戦闘能力を誇示するものであっ...
平安時代

藤原氏はどこへ行ったか?

藤原氏は大化の改新の立役者である中臣鎌足を始祖とする。 もともと中臣氏は代々、神事・祭祀を司る宮廷貴族であった。 中臣鎌足は死に望んで天智天皇より藤原姓を賜り、息子の不比等からは中臣氏でなく藤原氏を名乗るようになった。 ...
鎌倉時代

8代執権 北条時宗の苦悩

我が国は直接大陸の利害が及ぶことのない孤島である。このためこちらから手をださなければ、容易に外から攻められることはない。 しかし、2度だけ手を出したことがある。一度目は天智天皇、2度目は太閤秀吉である。 663年、天智天皇は...
鎌倉時代

異色の上皇 ”後白河上皇と後鳥羽上皇”

現役の天皇が次の天皇を意中のひとに継がせるため、早めに天皇を辞して上皇となり、若き天皇が育つまで後ろから操る傀儡政権の仕組みを、院政と呼ぶ。 院とは上皇のこと。したがって院政をしいて権力を振るう上皇は「治天の君」と呼ばれた。最高権...
海外紀行

トレドと石山本願寺

数年前、自宅近くの道後温泉に弥生時代の環濠集落がみつかった。 集落は幅10メートルに及ぶ史上最大規模の環濠で囲われており、周辺に住む無頼の輩からしばしば略奪の被害にあっていたことが窺われる。 昔からひたすら生産に専念するひと...
四季雑感

自殺のはなし

このところ毎年、自殺する人の数が約3万人とほぼ横ばいだという。 自殺未遂者はさらにその10倍以上という。 ともかく10年間、だれが決めたわけでもないのに毎年3万人ずつ自殺するというのだから、奇妙だと思わないわけにいかない。 ...
平安時代

藤原泰衡の苦悩

100年続いた奥州藤原氏最後の当主・泰衡を評価したい。 1189年、頼朝の攻撃を受けた彼は、平泉に陣をしかず、北へ逃走した。 通常、強大な相手に攻められた場合は、堀や土塁を築き、館にこもって、焦土作戦をとるのが普通だが、彼は...
平安時代

お大師さん

四国八十八ヶ所には、一年を通しお遍路さんの絶えることがない。 その白装束の背には、遍照金剛と墨書されている。 遍照はあまねく照らす、金剛とは永遠に不滅の意である。 若き日の空海が留学先の中国で、密教の第1人者恵果から与...
四季雑感

判官びいき

NHKのドラマの高視聴率をみると、今でも義経人気は相当のものらしい。ともかく、わが日本の生んだ初めてのヒーローである。 しかし、ヒーローともなれば突如として歴史の舞台に現れ、大衆の熱望する夢を一挙に叶えるという大活躍をしなければな...
四季雑感

冬のソナタ

四国の田舎にいても、”冬のソナタ”はあちこちから聞こえてくるから、もはやこの曲を知らぬ日本人はいないという有様だ。 主旋律は子供でも楽に弾ける単調なしらべだが、なんといっても大ヒットの理由はドラマそのものにある。 むかし大当たりした”...
四季雑感

わが国の士

最近話題になっている前レバノン大使、天木直人氏の“さらば外務省”を読んだ。 そのなかで、駐米大使を務めた斉藤邦彦氏についての記述は興味深いものであった。 氏は外務省主流派のドンで、“ミスター外務省”と畏怖された人物だが、或る...
四季雑感

名こそ惜しけれ

総選挙直前に、悪代官、藤井の首をとって自民党支持へ流れを一挙に加速しようとした官邸の思惑ははずれた。 5時間もかけて辞職の言質を取れなかった石原大臣の狼狽と道路公団藤井総裁の徹底抗戦が浮き彫りとなっている。 藤井氏は自分...
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